ご相談

生成AIとAIエージェントが変えるビジネスと働き方 -中山五輪男-

第9回KATARI レポート

生成AIとAIエージェントが変えるビジネスと働き方

開催日時|2026年8月6日(木)18:00~19:15

中山五輪男

一般社団法人ノーコード推進協会 代表理事

「もっと気軽に、もっと深く、ビジネスの知見を学べる場を」

そんな想いから誕生したのが、講演依頼.comが主催するオンライン講演サービス「KATARI(カタリ)」です。

KATARIの大きな特徴は、ライブ配信と“対話型”の講演形式。全国どこからでも参加できるだけでなく、質疑応答の時間をたっぷり30分確保。講師と参加者の双方向コミュニケーションを重視し、「聞いて終わり」ではなく「納得して終わる」講演体験を提供しています。

この取り組みは、従来のリアル講演や録画配信とは一線を画し、参加者がその場で疑問をぶつけ、深掘りすることのできる“学びの実践現場”となっています。

  • facebook

Chapter 01 第9回KATARIの概要
生成AIの“その先”を実演で学ぶ

第9回のオンライン講演は、2026年8月6日(木)18:00〜19:15に開催されました。登壇者は、一般社団法人ノーコード推進協会 代表理事の中山五輪男さんです。

中山さんは、1964年、東京オリンピックの年に生まれたことから、「五輪男」と書いて「いわお」と名づけられました。大手ソフトウェアメーカー、ソフトバンク、富士通などで、iPhoneのビジネス活用、AI、IoT、ロボット、DX推進に携わってきた、日本を代表するITエバンジェリストの一人です。

現在は、アステリア社のCXO(最高変革責任者)、首席エバンジェリストとして活動しながら、一般社団法人ノーコード推進協会の代表理事も務めています。

全国各地で年間200回以上の講演を行い、難解な最新テクノロジーを、ビジネスパーソンが今日から使える知識へ翻訳して伝えるわかりやすさに定評があります。

テーマ:「生成AIとAIエージェントが変えるビジネスと働き方」

今回の講演は、講師の人生や思想を語るタイプの講演ではなく、最新のAIツールを実際に使いながら、その違いと可能性を体感する実践型の内容でした。

ChatGPT、Gemini、Claudeといった生成AIの比較、画像生成の違い、ノーコードによるAI環境構築、AIエージェントの進化、企業での導入事例まで、まさに「今、AIで何が起きているのか」を目の前で見せてくれる時間となりました。

講演全体を通して示されたのは、AI時代において人間の仕事がどう変わり、企業がどのようにAIを組み込み、個人がどんなスキルを磨くべきかという、働き方そのものへの問いでした。

Chapter 02 講演内容ダイジェスト
生成AIとAIエージェントが変えるビジネスと働き方

1|「クリック」から「質問」へ。情報行動そのものが変わった

中山さんは冒頭、2022年11月にChatGPTが登場したことで、世界は新たなステージに入ったと語りました。

これまで私たちは、Google検索にキーワードを入れ、表示されたリンクをクリックし、複数のページを読み比べながら答えを探してきました。しかし生成AIの登場によって、行動は大きく変わりました。

「クリック」から「質問」へ。2024年にはGoogle検索の約60%がホームページへのクリックに至らず、ユーザーは、AIに直接問いかけるようになっています。つまり、情報を探す行動そのものが変わり始めているのです。

これは、単なる検索手段の変化ではありません。ビジネスにおいては、顧客が企業サイトにたどり着く前に、AIから答えを得る時代が来ているということ。今後、企業に求められるのは、AIにどう認識されるか、AIを使うユーザーにどう届けるか。情報発信の考え方そのものを見直す必要があります。

2|AIは“壁打ち相手”になる。問いの具体性が成果を変える

一方で、企業の経営者と話をすると、「何を質問すればいいかわからない」と答える人も多いと中山さんは指摘します。

生成AIを活用する第一歩は、ツールの使い方を覚えること以上に、良い問いを立てることです。AI時代のビジネススキルとは、答えを覚える力ではなく、適切に問いを設計する力へと移りつつあります。

中山さんは、生成AIを使う際には、何度も壁打ちを行うことが大切だと語りました。

たとえば建設業であれば、「大雨によって基礎工事が1週間遅れている。竣工納期を守るため、後工程で巻き返すリカバリー案を3パターン提案してほしい」といった具体的な質問ができます。

また、鉄骨5階建てのビル建築現場で足場解体作業を行う場合、「予測される不安全行動や労働災害のリスクを5つ挙げ、それぞれの安全対策と朝礼で伝えるべき短い指示を提案してほしい」と訊くこともできます。

流通業であれば、「主力商品の売上が前年同期比15%減少している。利益率を大きく下げずに売上を回復する施策を、実施内容、期待効果、投資、期間、リスクに分けて整理してほしい」といった使い方ができます。

ただし、AIは魔法のように必ず正解を出すわけではありません。状況、条件、目的、制約をどれだけ具体的に伝えられるかによって、AIから返ってくる提案の質が大きく変わります。

つまり、AI活用の本質は「聞けば答えてくれる」ことではなく、「考える材料を整理し、問いとして投げる」ことにあります。

曖昧な問いには、曖昧な答えしか返ってきません。逆に、現場の状況を具体的に言語化できれば、AIは複数の選択肢や論点を提示してくれる強力な壁打ち相手になります。

AI時代に必要なのは、操作スキルではなく、課題を言葉にする力。中山さんの実演は、その重要性を具体的に示すものでした。

3|AI活用には、便利さと同時に“守りの設定”が必要

AIを使う上で、多くの人が不安に感じるのが情報漏洩です。中山さんは、ChatGPTを使う場合、「設定」メニューの「データコントロール」から「モデル改善に協力する」をオフにすることを紹介しました。無料版か有料版かにかかわらず、この設定は確認しておく必要があるといいます。

ただし、それだけで十分というわけではありません。

銀行口座情報、パスワード、個人情報、企業の機密情報などをAIとの会話に入れないことも重要です。資料ファイルをAIに読み込ませる場合にも、個人情報や秘匿性の高い部分は黒塗りにするなど、事前の処理が必要になります。

この話から見えてくるのは、AI活用は「攻め」だけでは成立しないということです。

業務効率化、資料作成、情報整理、アイデア出しなど、AIには多くの利点がありますが、同時に、企業としてどの情報を入力してよいのか、どの情報は入力してはいけないのか、どのようなチェック体制を設けるのかというルールづくりが不可欠です。

AIを使わない機会損失もありますが、無防備に使うリスクもあります。中山さんの説明は、AI活用を現場に広げるためには、便利さとセキュリティを同時に考える必要があることを示していました。

4|AIは一つに絞らない。複数のAIを“使い分ける”時代へ

中山さんは、AI時代にひとつのAIツールだけを信用するのではなく、複数のAIツールを使い分けることが重要だと語りました。これは、医療でいうセカンドオピニオンに近い考え方にあたるかもしれません。

講演では、ChatGPT、Gemini、Claudeの3つのAIに同じ質問を投げ、その回答を比較しました。すると、三者三様の違う答えが返ってきました。

例えば簡単なアプリを作成してほしいという問いに対し、ChatGPTは、一瞬でアプリを生成しました。Geminiは、そもそもアプリをつくる必要はなく、Googleスプレッドシートで共有すれば十分ではないかと提案しました。Claudeは、公用車管理システムとして、より具体的なアプリの形を示しました。

また、3つのAIの文章生成能力や画像生成能力の違いも検証されました。文章生成では、Claudeがワンランク上を行っているという評価が示されましたが、画像生成では、同じ条件を与えても、AIごとに出力結果が変わります。

ChatGPTは外国人の作業員を想起させる画像を生成し、Geminiは日本の工場やファナックをイメージしたような画像を生成しました。一方で、Claudeにはリアルな写真画像を生成する機能はありません。

このようにAIツールによって、回答は大きく異なります。ここで注意したいのが、3つを比較する目的が、どのAIが絶対的に優れているかを決めることではないという点です。AIツールにも“適材適所”があり、AIごとに得意なこと、苦手なこと、提案の方向性が違います。

AIを使いこなすとは、ひとつのツールに依存することではなく、目的に応じて適切なAIを選び、複数の回答を比較しながら、人間が判断することです。

ビジネスの現場でも同じです。人材配置と同じように、AIにも役割があります。誰に何を任せるかを考えるように、どのAIにどんな仕事を任せるかを考える。今回の比較実演は、その感覚をつかむための実践的なパートでした。

5|生成AIの次は、AIエージェントの時代へ

中山さんは、2026年を「AIエージェント元年」にあたると位置付けています。これからの流れとして、生成AIの次に「AIエージェント」の時代が来ると語りました。

生成AIは、人間が質問や指示を投げると、文章や画像、資料案などを返してくれる存在です。一方、AIエージェントは、与えられた目的に沿って、必要な作業を進めてくれる存在です。

営業、経理、人事、商品企画、旅行業、自治体の窓口対応など、AIエージェントの活用範囲は非常に広いです。たとえば、「見込み顧客をフォローしておいて」と指示すれば、過去の商談情報を確認し、状況に合ったメール文を作成し、必要に応じて送信まで行います。カスタマーサポートでは、問い合わせ内容を分類し、過去の対応履歴も参照しながら、最適な回答を提案してくれます。マーケティングでは、Web上から競合キャンペーンや価格動向を集め、グラフや要約つきのレポートとしてまとめてくれます。

こうした具体例から、AIエージェントは相談相手ではなく、業務の一部を実際に動かす存在になっていくことがわかります。

中山さんは、生成AIを「人間の脳」、AIエージェントを「人間の身体」や「秘書のようなもの」と表現しました。これまでのAIが“答える”存在だったとすれば、これからのAIは“動く”存在になっていきます。

6|AIは、経営判断の場にも入り始めている

さらに中山さんは、AIエージェントの先にある概念として「エージェンティックAI(Agentic AI)」についても紹介しました。

AIエージェントが一人の秘書のように仕事を進めるものだとすれば、エージェンティックAIは、複数のAIエージェントが役割分担しながら連携する仕組みです。営業担当のAI、経理担当のAI、人事担当のAI、マーケティング担当のAIが、それぞれの専門領域を持ち、協調しながら複雑なタスクを進めていくイメージです。

導入事例として、キリンHDのAI役員「CoreMate(コアメイト)」を紹介しました。

キリンHDでは、マーケティングや財務など、それぞれ異なる専門性を持つ12人のAI役員を用意。会議の音声をリアルタイムで解析し、議論に対する意見や、話し合うべき論点を提示する仕組みを導入しています。

この事実が衝撃的なのは、AIの利便性だけでなく、AIが「役員」として経営判断の場に入っていることです。いまやAIは会議の内容を聞き取り、論点を整理し、人間では見落としそうな視点まで提示する段階に入っています。

もちろん、最終的な判断を下すのは人間です。けれども、誰もが知る大手企業がAIを“役員”として会議に加えているという事実は、AI活用の位置づけが大きく変わったことを物語っています。AI役員は、人間の思考を補助し、盲点を減らす存在として機能します。今後、経営会議は人間だけで行うものではなく、人間とAIが共に議論する場へ変わっていきます。

AIは、効率化のための便利ツールから、意思決定を支える役員へ。中山さんが紹介したキリンHDの事例は、その変化を強く印象づけるものでした。

7|ノーコードが、AI活用の入口を広げる

現在、自社専用のAIシステムをつくりたいという企業も増えています。しかし、すべての企業に高度なエンジニアがいるわけではありません。そこで中山さんが紹介したのが、ノーコードツールの活用です。

ノーコードとは、プログラミングをせず、マウス操作などでシステムやアプリを構築できる仕組みです。

講演では、ノーコードでさまざまなAI環境を構築できる会話型AI構築プラットフォーム「miibo」が紹介されました。東京のベンチャー企業が提供するツールで、短期間で多くの企業に利用されています。

また、AIの処理方法として「クラウドAI」と「エッジAI」の違いも紹介されました。クラウドAIは、現場のカメラなどで取得した映像データをインターネット経由でデータセンターに送り、そこでAIが解析する仕組みです。一方、エッジAIは、スマートフォンやカメラ、専用端末など、現場に近い機器の中でAIが解析を行います。

つまり、クラウドAIは大きな処理を外部のサーバーに任せる仕組みであり、エッジAIは現場の端末側で素早く判断する仕組みです。データを送る量や通信コストを抑えたい場合、また現場ですぐに判断したい場合には、エッジAIの活用が重要になります。

ここで重要なのは、AI活用が一部の専門家だけのものではなくなっているということです。

これまで、社内システムをつくるには、専門のエンジニアや外部ベンダーが必要でした。しかし、ノーコードとAIを組み合わせることで、現場の人が自分たちの課題に合わせた小さな業務アプリやAIシステムをつくれるようになります。

これは、DXの大きな転換です。現場を知らない人がシステムをつくるのではなく、現場を知る人が、自分たちの業務に合った仕組みをつくる時代になっていくのです。

8|価値が下がるスキル、残り続けるスキル

AIの進化によって、ビジネスパーソンに求められるスキルも変わっていきます。中山さんは、単純な情報収集力の価値は下がっていくと語りました。調べるだけ、まとめるだけの仕事は、AIが得意とする領域だからです。

一方で、評価する力、判断する力、問題解決力、人間関係構築力は、今後も人間に強く求められます。

AIは情報を集め、選択肢を提示し、資料を作ることができます。しかし、どれを選ぶのか、どこに責任を持つのか、相手の本音をどう聞き出すのか、組織をどう動かすのか。そこには人間の判断が残ります。

その意味で、AI時代に人間の価値がなくなるわけではありません。むしろ、人間が担うべき領域はより明確になります。

単純作業から解放された人間が、より深い判断、関係構築、問題解決に向かえるかどうか。AIを使う力だけでなく、人間にしかできない力をどう磨くかが、これからの働き方を左右するのです。

Chapter 03 中山五輪男さんとの質疑応答

KATARIの真骨頂は、参加者からの率直な質問に講師が真正面から答える濃密な時間です。今回も、AI導入、セキュリティ、若手人材に必要なスキル、AIエージェント時代の人間関係など、現場感のある質問が数多く寄せられました。

Q1|クラウドAIからローカルAI、エッジAIへの流れは進むのでしょうか?

中山さんは、「どんどん進む」と答えました。

たとえば、店舗に設置されているカメラを活用し、映像を分析してマーケティングや業務効率化に活かす事例が紹介されました。北海道のドラッグストア「サツドラ」では、防犯カメラの映像をエッジAI技術でデータ化し、店舗運営や売上最大化に活用しているといいます。

ただし、最新機能はまずクラウドAIで提供されるため、クラウドAIがなくなるわけではありません。クラウドAIとエッジAIを目的に応じて使い分ける時代になっていくという見方が示されました。

Q2|これから一般企業に入社する若手社員は、どのようなスキルを伸ばすべきですか?

中山さんは、AIと接する時間を多く取ることが大切だと答えました。AIを使うスキルは、すぐに身につくものではありません。毎日、数時間単位でAIを使い、壁打ちをし、試行錯誤することで、少しずつ身についていきます。

中山さんの会社では、AIを使わない人は採用しないと決めているといいます。それほど、AIを使う力はこれからの基本スキルになりつつあります。

新入社員には、むしろチャンスがあります。既存社員は業務に慣れてしまい、無駄に気づきにくくなっています。しかし新入社員は、違和感を持ちやすい立場です。そこで、無駄な業務を見つけ、小さな業務アプリを生成AIで作ってみる。そうした行動が、組織の改善につながります。

一方で、IT企業を目指す人には、プログラミング言語の経験も必要だと語りました。AIでコードを書ける時代であっても、どのような仕組みでAIが動いているのか基本を知らなければ、トラブルが起きたときに対処できないからです。

AIを使う力と、基礎を理解する力。その両方が、これからの若手社員に求められます。

Q3|AIエージェント時代の人間関係構築力は、どう鍛えればいいですか?

中山さんは、仕事の基本は人と人の会話で成り立っていると語りました。AIが進化しても、お客様の悩みを聞く力、相手の本音を引き出す力、人間同士で率直に話し合うコミュニケーション力は欠かせません。

むしろAIエージェントが作業を肩代わりする時代になればなるほど、人間には「何を任せるのか」「なぜそれが必要なのか」「相手は何に困っているのか」を見極める力が求められます。AIに正しい指示を出すためにも、まず人間が現場の課題や相手の気持ちを正しく理解していなければなりません。

本音で人と話し合える力は、そのままAIを使いこなす力につながります。表面的な要望だけをAIに投げても、返ってくる答えは表面的なものにとどまります。しかし、相手の困りごとを深く聞き取り、背景や目的まで整理できれば、AIに対してもより的確な指示を出すことができます。

これは個人だけでなく、組織やチームにも必要な意識です。AIを導入する前に、そもそも自分たちは何を解決したいのか、どんな働き方を目指すのかを本音で話し合える組織でなければ、AIは十分に活かされません。

AI時代のコミュニケーション力とは、相手の課題を聞き取り、整理し、AIに渡せる形に翻訳する力でもあります。中山さんの回答からは、技術を使いこなす前に、人と向き合う力を磨くことの重要性が伝わってきました。

Q4|AIエージェント内でカード決済などができるようになる場合、セキュリティはどう考えればよいですか?

中山さんは、今後AIエージェントが航空チケットや宿泊施設の予約を行う場面が増えると説明しました。

AIが氏名や住所などを入力してくれるようになりますが、ときどき間違えることもあります。そのため、最終的な確認や許可は人間が判断する必要があります。

AIがすべてを勝手に進めるのではなく、重要な場面では「許可を求める」仕組みが必要です。AIエージェントを使ううえでは、どこまで任せるか、どこから人間が確認するかという境界線を設計することが大切になります。

Q5|良い提案を出してもらうために、プロンプトでは何を意識すべきですか?

中山さんは、より細かく指示を出すことが大事だと答えました。

1行、2行の簡単な指示ではなく、背景、目的、条件、制約、求める形式などを丁寧に伝えること。そして、1回で終わらせず、何度もラリーをすることが重要です。

AIに遠慮する人が多いが、遠慮せず、しつこく使うことが大切だと中山さんは語ります。

ソフトバンクの孫正義さんは、1日平均4時間、AIと壁打ちをしているという話も紹介されました。AIを使いこなす人は、短時間だけ触って終わるのではなく、思考の相棒として長く対話しているのです。

Q6|AIに任せないほうがよい作業はありますか?

中山さんは、この質問に対して「すぐに答えが思い浮かばないので、AIに聞いてほしい」と答えました。

一見、肩透かしのようにも聞こえますが、ここには今回の講演全体を象徴する考え方があります。

つまり、AIについての問いも、まずAIに聞いてみる。講師に投げた質問も、AIに聞いてみる。AIを特別なものとして遠くに置くのではなく、日常的に相談し、使いながら判断力を磨くことが大切だということです。

Q7|AIのハルシネーションとは、どう付き合えばよいですか?

中山さんは、生成AIの回答に対して、複数の人間が事実確認をすることが重要だと答えました。AIの回答をそのまま信じるのではなく、複数人でダブルチェックする。資料を作るときも、一つのAIだけで完結させるのではなく、複数のAIツールを使って比較し、良いところを組み合わせる。

ハルシネーションを完全になくすことは難しくても、確認の仕組みを設けることで、リスクを下げることはできます。

AIを信じすぎない。しかし、怖がりすぎて使わないのでもない。人間が確認し、判断する前提で活用する。そのバランスが、AI時代の実務には欠かせないと感じさせる回答でした。

その他の質問

当日はこのほかにも、以下のような質問が寄せられました。

  • 今後、どのくらいのスペックのPCを持っておくべきですか?
  • ChatGPTのデータコントロール設定は、有料版でも必要ですか?
  • データコントロール以外で、セキュリティ面で気をつけるべきことは?

Voice 参加者の声

今回のKATARIでは、生成AIやAIエージェントについて、「実際に仕事でどう使えるのか」「どのようなAIを選ぶべきか」といった、実務に直結する学びを得たという声が多く寄せられました。

中山さんによる具体的な活用事例や、クラウドAIとローカルAIの違いなどを通じて、参加者それぞれが自分の仕事に置き換えながらAIとの向き合い方を考える時間となったようです。以下は、その中から印象的な声を抜粋・整文したものです(※一部編集あり)

「AI活用のリアルな実態が見えた」
不動産業・40代より

AIが実際のビジネスの現場でどのように活用されているのか、リアルな実態を知ることができました。具体的な話が多く、中山さんの語りもとても面白かったので、最後まで興味深く聞くことができました。

「AIエージェントを自分の仕事に活かすイメージが持てた」
製造業・50代より

AIエージェントがどのようなものなのかを知るだけでなく、自分自身の仕事の中でどう活用できるのかを考えるきっかけになりました。日々の業務に取り入れられる可能性を具体的にイメージできたことが、大きな学びでした。

「クラウドAIとローカルAIの違いが新鮮だった」
広告代理店・20代より

これまでクラウドAIとローカルAIの違いについて考えたことがなかったので、とても興味深く感じました。同じAIでも、使う環境や目的によって特徴や選び方が変わることを知り、AIへの見方が広がりました。

「AIとうまく付き合うためのヒントを得られた」
金融業・30代より

AIをただ便利なツールとして使うのではなく、これから仕事の中でどう付き合っていけばよいのかを考えるヒントを得ることができました。AIに任せる部分と、人が担う部分を考えながら活用していきたいと思いました。

このようにKATARIでは、最新のテクノロジーを知識として学ぶだけでなく、参加者が自分自身の仕事や職場に引き寄せながら、その活用方法を具体的に考える時間を提供しています。

AIを「知る」だけで終わらせず、明日からの仕事で「どう使うか」まで考えられることも、KATARIならではの魅力です。

Next 次回予告
第10回KATARIは9月8日(火)に開催予定

【2026年最新版】経営改善に生かす!攻めるBCP策定~超・実践的アプローチ~ -高荷智也-

第9回KATARIは、生成AIとAIエージェントの最新動向を、実演を交えながら学ぶ時間となりました。その余韻も冷めやらぬ中、すでに第10回の開催が予定されています。

次回は、2026年9月8日(火)18:00よりオンラインにて実施予定です。

テーマは「【2026年最新版】経営改善に生かす!攻めるBCP策定~超・実践的アプローチ~」。講師は、合同会社ソナエルワークス代表であり、備え・防災・BCP策定アドバイザーとして活動する高荷智也さんです。

BCP(事業継続計画)は、災害時や非常時に事業を止めないための備えとして語られることが多いテーマです。しかし今回の講演では、BCPを単なる“守り”の対策にとどめず、組織の活性化や経営改善につなげる“攻め”の活動として捉え直します。

2026年の最新の災害リスクを踏まえ、いざという時に確実に機能する実用的なマニュアルづくりや備蓄管理、策定プロセスについて、超・実践的な視点から解説される予定です。

自社のBCPを新たに策定したい経営者・管理職の方、既存のBCPが形骸化していると感じている方、防災対策と事業継続を両立させたい総務・人事担当者、危機管理を通じて強い組織づくりを目指したい方にとって、大きなヒントのある回となります。

また、KATARIならではの30分間の質疑応答では、「何から手をつければいいかわからない」「自社に合ったリスク把握が難しい」といった、BCP策定・運用のリアルな悩みを専門家に直接質問できます。

非常時の備えを、経営改善と組織強化の機会に変える第10回KATARI。次回もぜひご参加ください。

Conclusion 終わりに
AIを使う時代から、AIと働く時代へ

今回のKATARIを通して強く感じられたのは、AIはもはや一部の専門家だけが扱う特別な技術ではなく、すべてのビジネスパーソンが日常的に向き合う“仕事の相棒”になりつつあるということでした。

生成AIは、人間の問いに答える存在です。AIエージェントは、人間の目的に向かって動く存在です。ノーコードは、それらを現場の人が使える形にする入口です。

今回の講演では、AIツールの比較や画像生成、アプリ生成、AI役員、AIエージェントなど、さまざまな実演が行われました。その意義は「AIで何ができるか」を見せることだけではありませんでした。

むしろ問われていたのは、AIがこれだけ進化する時代に、人間は何を担うべきかということです。

単純な情報収集や定型作業の価値は下がっていきます。一方で、課題を見つける力、問いを立てる力、複数の情報を比較して判断する力、人と信頼関係を築く力は、これまで以上に重要になります。

AIは、人間の仕事を奪う存在ではありません。使い方次第で、業務の無駄を減らし、思考の幅を広げ、組織の意思決定を支える存在になります。

そのためには、AIを怖がって遠ざけるのではなく、毎日触り、何度も質問し、複数のAIを比べながら、自分なりの使い方を身につけていく必要があります。

AIを使う時代から、AIと働く時代へ。

第9回KATARIは、その変化を実演によって体感しながら、これからのビジネスと働き方を考えるための、非常に実践的な時間となりました。

Profile 講師紹介

中山五輪男

中山五輪男

一般社団法人ノーコード推進協会代表理事/アステリア株式会社CXO(最高変革責任者)首席エバンジェリスト

1964年長野県生まれ。法政大学工学部卒業後、複数の外資系ITベンダーやソフトバンク、富士通などを経て、現在はアステリア株式会社CXO(最高変革責任者)兼首席エバンジェリスト、一般社団法人ノーコード推進協会代表理事として活動。生成AI・ノーコード・DXを専門に、年間200回以上の講演を通じて最新テクノロジーをビジネス現場にわかりやすく伝えている。書籍執筆やメディア出演、国内大学での特別講師など、エバンジェリストとして幅広く活動している。

候補に入れました

15/20

候補に入れました

候補に入れた講師をみる