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2012年06月27日

夢は、開発したレトルト食品がスーパーやコンビニで並び、 それを知らずに親が買うこと

突然ですが、食欲は三大欲求の一つで、人間は食べることなしには生きることはできないですよね?

「髪の毛は切らなくても死なないけど、ご飯は毎日食べなければいけない」。
これは、進路を迷っていた高校時代の僕に、母が言ってくれた言葉です。

最初は「うん、そうだね」と軽く返事をしたのを覚えています。
普段の母親は口数少なくて、かなり的外れな事で叱られたりしたけど、この時ばかりはこの言葉で救われました。
僕は小さい頃から人に喜んでもらえるのが大好きで、料理ももちろん好きだったけど、実は、吉本新喜劇が大好きで小学生のときの夢は漫才師で吉本興業に入りたかったんです。
人を笑わすのはめっちゃ憧れるしかっこいい!  でもあまり現実味がなくて断念、最初の挫折です…。 
高校生になった頃には、夢はいつの間にか美容師か料理人に絞られていました。
人に喜んでもらえるならどちらでもそうだけど、今考えると僕は、母の言葉を聞いて料理人を選んで正解だったと思います。

前にも書いたけど、うちの家の料理はまずくて、そのせいかどうかはわからないけど、うちにはインスタント食品が山ほどありました。
親父の買い溜めなのかなと思って、子ども心に「親父も大変だな」と思ったのを覚えています。
家にある物は何でも食べてみたい、味見したい、と思うのが子ども心。そこで家にあるインスタント食品をいろいろと食べ比べして、驚きました。
『なんだこれ!?全部うちの親が作るよりうまいやん!!給食といい勝負する物もある!!』
しかもこちらはレンジでチンするだけとか、お湯を注いで3分待つだけ。
『簡単すぎでしょ?コストパフォーマンスで考えたら、労力の割に美味しすぎる!』
僕はこの『美味しい物』を食べたいという一心で、どっぷりインスタント食品にハマりました。

趣味は、インスタント食品を食べ比べて色々な事を語ること。
「こないだのあれは美味しいけどこっちは美味しく無い」とか、「チンする時間を間違えただけで食べ物の美味しさが変わるんだな」とか、「この味噌味よりこっちの味噌の方が甘い、このソース少なすぎて味が薄い。」とか、「このスープであの麺だったら最強や」とか。
インスタント食品に対する好奇心が止まらない。
美味しい物はなぜ美味しいのだろう?
中の具はどんなものを使っているのだろう?
チキンパウダーってなに?
最初はただ理科的に、味の謎を解明して、まったく同じ、「美味しい物」を作りたかったのです。
なぜならこの謎が解けたら、もう買わなくて済むのと、うちのご飯が100倍美味しくなるから。
なぜか勝手に僕の家のご飯を美味しくするという使命感が沸いてきちゃったんだろうね。
そこから『インスタント食品を作ること』が、料理人と並行した、もうひとつの夢になりました。
ただし、一番美味しいインスタント食品を作る為には、僕には今の料理の知識が無さすぎる。
どこかで勉強しないと中途半端な知識だと出来る食品も中途半端になってしまう。それでは自分の生き方と違う。

話は変わるけど、うちの親は厳しくて、僕のことを全く褒めないんです。
テニス部だったけど試合で勝っても褒めてもらった記憶がない。
だからどこまで頑張ればいいかわからなかったので気付いたらキャプテンになるくらい頑張っちゃったり。

そんな親だから僕が作った物は絶対ほめない。
分かってる。
だから気付かれないように頑張るしか無いなと思って僕は、こっそり調べて一番の料理学校に入ろうと探し出したのが辻学園でした。
日本中から只の料理好きだけじゃなく、旅館の息子(お坊ちゃん組)から、すでにレストランで働いているプロ組、海外からの留学生組なんかが集まるし、技術もトップクラスな事が学べる。
僕が調べた中で、ここが最高の料理学校でした今となってはインスタント食品を学ぶには贅沢すぎる環境だったと思います。そして辻学園に入学して、料理の勉強をするうちにいつの間にか学校でインスタント食品の夢も言わなくなって、実際あんまり食べなくなっていきました。
全部自分で料理を作れるっていいな。
麻婆豆腐なんてレトルトの味しか知らなかった僕は、初めて麻婆豆腐の作り方を知ったとき目から鱗が落ちたことを覚えています。
僕はそのあとフレンチや色々なレストランで働き、ブログでスカウトされて本を出しました。
今では料理教室や農林水産省の食育セミナーなどに参加しています。
今の仕事にたどり着き、改めてインスタント食品がいかに身近な物であり、インスタント食品がいかに大きな力を持っているか考えさせられる時があります。
昔と比べても美味しいインスタント食品が多くなったと思います。
日本はすばらしい技術と味覚を持っていますからね。

久しぶりに実家に帰って冷凍庫をあけたら大量の冷凍食品が出てきたんです。
料理人の親なのにまだこんなに沢山のインスタント食品に頼っているの?悪いとは言わないけど…
やっぱり僕は、家族の為にもインスタント食品開発の夢は、諦められない?!

有坂翔太

有坂翔太

有坂翔太ありさかしょうた

フードアーティスト

1983年5月31日大阪府大阪市で生まれる。岡山県津山市育ち。子供の頃から料理好きで、高校卒業後、食品開発者・料理家を志し、勉強の為、大阪の調理学校へ進む。大阪府・辻学園調理製菓専門学校・高度調理技術…

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