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東京生まれ。高校生のときに手話と出会う。大学では幼児教育(障害児保育)を専攻。卒業後、保健所や児童館で子ども
との遊び方・接し方などを親御さんへ指導。1990年、NHK手話ニュースキャスターとなり現在も出演中。東京家政学院大学では障害児保育、淑徳短期大学・ルーテル学院大学などでは介護福祉士やホームヘルパーの養成、聴覚障害者とのコミュニケーション法の指導を行っている。
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子どもの頃から将来は福祉の仕事に就きたくて、高校生の時にボランティア活動で障害者施設に通っていました。そこで重度の知的障害を持ち、耳が聞こえない男の子と出会ったのですが、気持ちを伝えようにも伝わらない。それで、手話を学んで伝えよう、そう思い手話を学び始めました。
手話を学んでから、素敵なことはたくさんありました。例えば、大学生のとき、親しくしている男性が結婚することになったんです。その男性は耳が聞こえず、新婦も耳が聞こえませんでした。今でこそ珍しくはありませんが、結婚式に手話通訳をつけることは当時はポピュラーなことではありませんでした。しかし、主役である新郎・新婦に、スピーチの内容をきちんと伝えるためにも、手話通訳を付けようという話しになったのです。所属していた手話サークルの男性が司会、私が通訳を務めました。
そのお嫁さんは聾学校に通っていたのですが、当時の聾学校は手話を厳しく禁止していました。大正時代中期まで、聾学校での教育は、相手の口の形を読み取る口話法と手話の2つの流れがありましたが、国際的に口話法が主流になり、日本でも聾学校での手話は禁止をされることになったのです。 そのため、お嫁さんの聾学校の先生が、祝辞を述べられたのですが、手話がお出来になりません。先生は「今日、あなたの結婚式を見ていたら、みんながとても楽しそうに手話をしていて、私は『おめでとう』と手話で言う事も出来なくてごめんなさいね…。」と、おっしゃいました。それを私が手話で2人に伝えたところ、お嫁さんがそれを見てツーと涙を流したんです。その時、‘手話通訳は言葉を伝えるだけではなく、心を届けることができるものなんだ’と、とても感動しました。「先生の心を届け、きちんと彼女の心に伝わったのだ」と思い、とても嬉しくなったのです。 |
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講演をさせて頂くなかで、障害を持っている方への良い配慮方法を聞かれることが多いです。街で障害者の方を見かけても、なかなか行動にうつすことが出来ない方が多いのでしょう。これについては、次のように想像をして頂くとよいと思います。「雨の降る日に、あなたの前を目の見えない方が1人で歩いていたとして、その方があなたの大切な方だとしたら…」と。どうでしょうか、「声をかけよう」と、そう思うのではないでしょうか。つまり、あなたが大切な方にするであろうということをしていけば良いと思うのです。
たとえ断られたとしても、それはただ「手が必要ないので大丈夫です」と申し上げているだけで、相手の方は感謝しています。
私の友人で、杖をついて歩く肢体不自由の方がいます。その方は、いったん座ってしまうとなかなか立てないので、席を譲られると困ってしまうことがあるそうです。また、目の見えない方は、ドアの傍のほうがいいので席を譲って頂いてもお断りするということがあります。このように、もし断られたとしても必ず理由がありますから、嫌な気持ちになる必要はありません。
なにか困っている方がいらっしゃったり、アクションを起こそうと思った時は、「私のお母さんだったら…、私のお父さんだったら…、私の恋人だったら…」と、想像力を働かせて考えてみて、自然に話しかけてみて下さい。分からないことがあれば、障害者本人に聞いてくださればよいのです。
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講演ではサービス業の方々に、障害を持つお客様への接客についてお話しをさせて頂くことが多いですが、最近ではPTAなどでお母さんに向けてお話しする機会も増えています。私はその際、具体的に子どもの世界に入っているバリアフリーグッズとユニバーサルデザイングッズの話をしています。
バリアフリーの意味は、障壁(=バリア)をなくす(=フリー)。それに対し、ユニバーサルは共通の、という意味があります。言葉の概念が異なります。バリアフリーは、もともと障壁となるものはあるけれども、それを生かしながら、皆が暮らしやすくなるためにはどうしたらよいのかを考えるものです。一方、ユニバーサルデザインは、障害者も子どもも大人も高齢者も、みんなが共通して安心して使えるデザインを、という考え方です。はじめから障壁がないのです。最近は、ユニバーサルデザイン住宅がとても増えていますね。
実は、ユニバーサルデザイングッズは住宅だけでなく子どもの遊びの世界にもあります。例えば、ひらがなと手話の絵文字と点字が一緒にのっている絵本などがあります。PTAの講演では、親御さんにこういったユニバーサルデザイングッズを見せ、「このグッズをどう子どもに伝えますか?」と問いかけます。子どもは、大人の価値観をそのまま受けとめますから、ご両親がまずどう思うかが大変重要になるのです。ですからこういったグッズの存在を知って頂き、障害者は世の中にはたくさんいること、共に生きていること、そしてこれからもっとそばで生きていく可能性があることに気がついて頂きたいのです。
また、こういったことに気がつくことで、わが子の元気な姿に感謝をする気持ちも生まれてきます。子どもの良い面にたくさん気がつき、子どもを認めてあげることができれば、子どもは自然に伸びていくものです。障害者も子どもも、皆が暮らしやすい社会になることを願い講演をしています。(了)
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