あんなに大変だと思っていた博士号一つとってみると、おもしろいことにまだ取れるのではないか、という欲が出てきました。今度はただの博士号ではなく、名誉○○というのがついていたほうがいいなあと単純に思いました。 実にかっこいいじゃないですか。それに私はすぐに広告のことを考えてしまうのですが、漢方研究家として本を出すのと、○○博士、名誉○○と入っているのとでは、どう比べても後者の方が偉そうでいいじゃないですか。それで10冊や20冊は本の売れ行きが違いますよ(私にしては謙虚かな?)それならば、取れるものは全部とってみよう、と新たな意欲に闘志を燃やせるわけです。 最初の博士号をハワイでとったものですから、今度もハワイが自分にとっては運がいい場所かなと勝手に思い込み、次もハワイの大学に論文を提出することにしました。 「名誉○○ってどうしたらなれるの」と、いろいろな人に聞いてみたところ、名誉学術博士というのなら聞いたことがあるとのことでした。しかし、それは非常に難しいらしい。つまり名誉ということ自体、何を名誉とするかの線引きがないからということでした。 それでは、何か特殊なことで取れないものかと思案しました。私は「リング」だけで評価されるのはいやでしたし、腹巻の改良もやっていましたので、今度はこちらの正統派のほうでいってみようと思いました。何といってもアメリカはダイエット志向が強い国ですから、この方がいいのではないかと直感的に思ったのです。 今度は、論文を出すと同時に、実際に腹巻を使ってもらおうと思い100枚送りました。論文がどうというより、とにかく使ってもらいたいから、ということでお願いしました。配った人たちは、論文を審査する先生の周りにいる学生やスタッフなど。効果があれば良さが先生にも伝わり、論文が通りやすいわけです。つまり営業戦略の一環ということです。とにかくアメリカには太った人が多かったので、願ってもないチャンスでした。磁気の力で血行が良くなって代謝がアップし、健康的にスリムになるのです。しばらくすると、思っていた通りみんなすぐに痩せました。口々に、 「グレート!」 「ワンダフル!」 「ファンタスティック!」 なんてことを言ってくれ、文句なしに気に入られました。 「東洋の神秘だ!」 とも言われ、まさしく私の狙った結果が目の前に表れたのです。 それからまた2〜3ヵ月経ち、例のごとく書類が郵送されてきました。私が以前からあこがれていた“名誉学術博士”が誕生したのです。