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講師のお仕事レポート



第1回
今週の講師: 藤原毅芳さん (営業コンサルタント)
藤原毅芳 大学卒業後、大手住宅会社に入社、静岡にて住宅販売の営業を経験。子会社であった石材の輸入販売会社に移り、法人新規開拓営業の立ち上げ、関東から西日本を飛び回り出張の達人に。その後、顧客管理運用のコンサルタント会社を経て、現在は企業を最速発展サポートする コンサルティング企業CKPLATに所属。著書に『営業は説明するな!』(ソフトバンククリエイティブ)、『発想術』(秀和システム)がある。
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話題の著書『営業は説明するな!』の帯にはこう記されている。

―ダメダメ営業が急成長した、営業のツボ!―

いまや気鋭の営業コンサルタントとして全国各地を飛び回る藤原さんが「ダメダメ営業?」と思わず目を疑ってしまうが、
当の本人は「そのフレーズ、私が書いてくださいと言ったんですよ」とサラリ。
「私自身がもともと“ダメダメ営業”からの出発だったんです。できない人の気持ちがよく分かるし、
苦手だったからこそ、どうすればできるようになるか?ということを順を追って明確に指示できるんです」。

思わず相談したくなるような穏やかな笑顔とオープンなたたずまい。硬軟取り混ぜた話題と、よどみのない語り口。
その姿に隠された、プロのコンサルタントとしてのこだわりや仕事に対する想いをうかがいました。
 
■気合や根性の限界を感じた営業マン時代
 
私のキャリアは住宅販売会社の営業職からスタートしました。
  当時の業界の営業スタイルというのは、攻めて・攻めて・攻めまくる、いわゆる「押しの営業」。とにかく数多くのお客さんにあたって商品をPRして売り込みます。契約が取れないものなら、「なんで取れないんだ!もう一回、行って来い!」と上司に怒られて再びお客様のもとへ。気合い、根性、我慢…そういった風潮が根強かったですね。

  そんな状況ですから、先輩は新人に仕事を細かく教える暇などありません。まさに「習うより慣れろ!」と。初めは見様見真似で必死にやっていたんですけど、この営業スタイルでは体力的にも精神的にも辛いし、実際の売り上げも頭打ちになってきます。結果が出なければ当然モチベーションも下がる、なのに「とにかく我慢してやれ」、でも成果は上がらない、またやる気がなくなる…まさに悪循環でしたね。「この営業スタイルには限界がある」と身をもって疑問に感じていました。
 
 
■モチベーションよりも、目に見える「結果」を出せるスキルを
  営業マン時代から思っていたのは、モチベーションは備わっているに越したことはないけれど、それだけを持っていても仕方が無いということです。業務に必要なスキルや具体的なやり方を身に付けていなければ、実際問題として成果は上がらず、そのうちモチベーションにも限界がきてしまう。まさに、かつての私です(笑)。

  ただ逆に言えば、はじめはモチベーションが無くても、スキルを身に付けて、目に見える結果を出せば、当然周囲から評価されます。人間、誰でも褒められるのは嬉しいですよね。「次はもっと頑張ろう!」と、やる気が湧いてきます。モチベーションが「結果」を呼ぶのではなく、「結果」がモチベーションを呼び覚ますのではないかと思うんです。
 
■シビアだが喜びは大きい

<研修は常に大盛況>
  目に見える結果が重要。そういった意味では現在のコンサルタントという職業は、非常にやりがいのある仕事だと感じています。ドライな言い方かもしれませんが、結果を出さなければコンサルタントは、いる意味がありません。クライアントが求める結果を「いつまでに」「どのレベルまで」達成するかということをはっきりと提示しなければなりませんからね。非常にシビアな世界です。

 その代わり、結果が出れば人って本当に変わるんです。実際に私が担当させて頂いた中にもこういった例がありました。それまでは、いくら言われても全くやる気が無かった社員が、結果を出して周りに評価されたことで、その後は誰に言われるわけでもなく自発的に戦略を考え始め、それをやり続けていくんですね。まさに人が変わったかのようでした。やはり「結果」が人に与える影響の大きさを再認識しました。それに何よりも、結果が出てクライアントに喜んで頂けた時は本当にコンサルタント冥利に尽きますね。こういった経験は今でも仕事の原動力になっています。
 
■最後まで“悪あがき”をする

 誰でも仕事で失敗した経験はあると思います。私ももちろん例外ではありません。ただ、「失敗」って、人によっていろいろな捉え方があると思うんですが、私の場合、自分の力が及ぶ範囲で最大限の努力をしたかどうかが基準なんです。目の前の仕事に対して力を出し惜しみせず、手を尽したか。それができていなければ「失敗」と捉えます。逆に、自分の力が及ぶところまで努力して準備した結果がだめならば、失敗というよりもそれが「今の自分の実力」だと客観的に受け止めるようにしています。

 事実だけを見て「失敗」と捉えるのではなく、結果に至るまでの間に、自分がやるべきことをやったか、最後の最後まで可能な限りの努力をしたかどうかという観点で省みることのほうが重要じゃないかなと思います。その代わり、自分の努力不足によって失敗に終わることだけはないように、最後の瞬間まで良い意味での“悪あがき”をすること―その姿勢はいつも心がけていますね。

 

■仕事にゴールはない

 コンサルタントがクライアントに提供できる「商品」は、知識やスキルといった、目に見えないものです。自身のレベルアップが業務に直結することになりますから、日々さまざまなところにアンテナを立てて吸収していくことが血となり肉となります。ただし、どこまでレベルアップするのか、その線引きは自分次第ですよね。私も今の自分のレベルはまだまだだと思っているので、日々すべてが勉強です。目に見えない商品を提供しているからこそ、目に見える結果を出して多くのクライアントに喜んで頂きたいですね。

  それから最近は、いろいろな企業の研修でお話する機会もいただきます。限られた時間の中でも、受講者の皆さんに明日から使える「お土産」を必ず持って帰って頂くように心がけていますね。ですから研修内容は、その企業の業種・業態によって、できる限りカスタマイズしていきます。皆さん、何かにお困りで研修を発注されているわけですから、悩みの原因をあぶり出して「今後どんな結果を出したいか」という点にフォーカスしなければなりません。原理原則も大切ですが、具体的かつ再現性のあるお話をするようにしています。研修でもやはり私が提供できる最大限の「商品」をお届けしたいですからね。

 どうやら友人からは「忙しくて大変だね」なんて不憫に思われるみたいですけど(笑)、私自身は全く苦に感じないです。仕事にゴールはありませんからね。これからも、日々接している全ての物事に意味と意義を感じながら仕事をしていきたいと思っています。


[2008年10月30日/取材・写真:「講演依頼.com」上原深音]
「これがなきゃ仕事にならない!」ともいえる仕事道具は?
「月並みですが、パソコンです。
最近はほとんど字を書かなくなりましたね」。
とはいえ、もともとは文房具が好き。
「最近はあえてこだわらないようにしています。
ついつい余計なのを買っちゃうんですよね(笑)」。

元気の素」は?
読書音楽鑑賞ですかね。本は1日2冊は読みます。もっぱら仕事関係の本ばかりですが気分転換にはサイエンスもの、乗り物関連本までなんでも目を通します」。
「音楽はノージャンルで色々と聴きますよ。高校時代はバンドでキーボードを弾いて、大学では吹奏楽部に所属してましたからロックからクラシックまで幅広く。今でも気分転換にキーボードを弾くんですけど、なるべく触らないようにしてます。ついつい時間を忘れてしまうので(笑)」。

座右の銘」は
頑張らない」。
「語弊があるかもしれませんが、一定期間に結果を求められるコンサルタントの世界では、頑張る・頑張らないは物事の判断基準にしてはいけないと思っています。それよりも結果が出たのか・出なかったのか」。
自分自身への戒めの意味もある。
「というより、頑張るのは当たり前だと思っています。そういう言葉を言い訳にしないでいきたいですね」。

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